

本部から提案された方針や戦略を受けて、支所の事業計画を作成し目標達成のために責任と裁量をスタッフに割り振ることが支所長の仕事です。具体的な目標数値も求められるので責任感が伴いますが、どのように進めるかは支所ごとに委ねられています。だからこそメンバーが試行錯誤を繰り返しながら目標に到達したときの喜びは格別です。また、職場環境に気を配るのも支所長の大切な仕事。日頃、会議などで支所にいないことも多々あるため、支所にいるときは積極的にスタッフとコミュニケーションをとるように心がけています。
利益を上げることを第一目標としているのが、一般企業。よりよい社会をつくることを第一目標としているのが、エフコープ。つまり、エフコープでは組合員や地域社会のお悩みを解決できるサービスが常日頃から求められています。私も新人時代に焦って仕事をしていると、上司から「ちゃんと組合員の目線で見ているか」とよく注意を受け、組合員を第一に考える姿勢を教え込まれました。「利益より相手のお悩み解消を大切にする」これこそ一般企業とエフコープの大きな違いだと思います。
最も大変だったのは、本部の商品事業に関わる部署に異動になったときです。そこでの主な仕事はカタログやWEBの企画。デザインの方向性や価格設定、取材や撮影の進行、イメージの伝達、校正作業など、あらゆる仕事を同時に進めていかなければなりませんでした。ライターやカメラマンなど外部の方々と共に媒体をつくり上げていくこともある、まさに「自己完結できない仕事」。従来の支所での経験が全く通用せず、まるで転職をしたかのような状況でした。しかし、その経験のおかげで広い視野を持てるように。現在、支所長という役割を果たすことができるのも、あの時の経験があったからです。
東日本大震災の時「支援物資を被災地に送ろう」という呼びかけに応じ、多くの組合員が支援物資を支所に提供してくれました。支所の至る所に並べられた物資を見たときは、そのあたたかな思いに心動かされましたね。「困っている人を助けたい」という支え合いの気持ちがあっても、どう行動すれば良いか分からないという方もたくさんいます。そのようなときに支え合いの心をつなぐ役割を持って行動を起こせるのがエフコープ。その使命を支所スタッフにも伝え、いざという時に頼れるエフコープを繋いでいくことが、私の役割だと感じています。